【米中非難合戦】王毅「米国よ、あなた方は世界中の気球を撃墜する気か?」ハリス氏「ロシアと関係深めた」
中国外交トップの王毅共産党政治局員は2023年2月18日、ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議で演説し、中国の偵察気球を米国側が撃墜したことについて「国際慣行に違反する」と主張した上で「そうしたばかげたことは二度としないよう忠告する」と非難した。ハリス米副大統領はウクライナ問題で中国の対応を批判し、激しい応酬となった。
王氏は「世界中には多くの気球がある。米国はすべて撃墜するつもりなのか」と揶揄した。またウクライナ問題に関しては「中国は危機に関与していないが、ただ傍観しているわけではない」と発言。和平協議を促進する考えを示した。米国が主導する対露制裁を念頭に「一方的な制裁はしばしば非生産的で、対話は放棄されるべきではない」と主張した。
一方、ハリス氏は演説で、ウクライナ問題は「世界的な影響力を持つ」と述べ、法の支配に基づく国際秩序の存続がかかっていると指摘した。「ロシアが侵攻に成功すれば、世界の強権国家を勢いづけることになる」と警告。そのうえで、「中国はロシアと関係を深めた。ロシアを支援する動きは、侵攻に報いるだけ。法に基づく秩序を損なうことになる」と述べた。
ハリス氏はまた、ロシア軍がウクライナで民間人に対するレ○プや拉致、拷問を犯した証拠があるとして、「人道に対する罪が犯されたことに疑いがない」と明言した。犯罪の責任者追及に対し、米国の支持を表明した。偵察気球の撃墜には触れなかった。
ブリンケン米国務長官がは18日、中国の外交担当トップ、王毅(おうき)共産党政治局員と会談したのは、中国の偵察気球の飛行に毅然(きぜん)とした態度を示す一方で冷却化した米中関係の底割れは回避させる狙いがあった。ウクライナに侵略を続けるロシアに武器供与をしないようくぎを刺す必要もあった。ただし、不測の事態を回避するため昨年11月の首脳会談で合意した対話路線に米中が再び向かう保証はない。
ブリンケン氏は会談後、米NBCテレビとのインタビューで、気球をめぐり王毅氏から「謝罪の言葉はなかった」としながら、「明確かつ直接的に米国の領土、主権、国際法の侵害だと伝える機会となった」と会談の意義を語った。
17日にはマクロン仏大統領が「惨事の責任はすべてロシアにある。ロシアを勝たせてはならない」とウクライナへの支援を約束。ウクライナのゼレンスキー大統領はオンライン演説で「決断を遅らせれば過ちを犯すことになる」と述べ、戦闘機や戦車などの供与を急ぐよう西側に訴えた。
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