【眠れる獅子】日本が目覚める!防衛戦略・支出で戦後最も重要な政策転換を発表【米メディア】
歴史はこのところ急速に動いている。直近の重大な変化は、日本が16日に発表した新たな防衛戦略とそれを実施するための支出方針だ。これは歴史的な政策転換であり、岸田文雄首相が政治リスクを冒して、中国と北朝鮮からの増大する脅威とその抑止策について国民を啓蒙(けいもう)していることは称賛に値する。
日本政府は防衛費を国内総生産(GDP)比で、2027年までに現在の約1%から2%に引き上げると発表した。これに関連する戦略文書は、現在の状況を第2次世界大戦後で「最も厳しく複雑な安全保障環境」と呼んでいるが、その分析は正しい。
同文書は中国からの「挑戦」について明確に言及している。8月に中国が撃った5発の弾道ミサイルが日本の近海に着弾したことを思い出すがよい。北朝鮮は定期的に日本列島上空を越えるミサイルを発射している。日本政府は「最悪の事態をも見据えた」備えをすると述べている。
同文書で目を引くのは、敵のミサイル発射拠点や船舶を攻撃できる長距離ミサイルの取得を盛り込んだことだ。これには、米国製巡航ミサイル「トマホーク」約500発の購入が含まれる可能性がある。これは他国に対し、近隣の主権国への攻撃をためらわせる能力だ。
もう一つ歓迎されることは、日本の南から台湾へと延びる東アジアの「第1列島線」の脆弱性に重点を置いたことだ。同文書は、中国が「台湾周辺での軍事活動」を活発化させていると指摘し、「近年、中台の軍事バランスは全体として」中国が有利になる方向に急速に変化していると述べた。台湾の行方は、日本、とりわけその島しょ部の自衛能力にとって極めて重要だ。
戦略文書は艦船や戦闘機の調達拡大とともに、サイバー分野での支出拡大を目指すこともうたっている。日本のこうした動きは米国の軍備増強の取り組みを補完する。前提となるのは、米国が海軍の攻撃型潜水艦を増やす、長距離の兵器を増強する、これらの兵力を太平洋に展開するといった優先事項を遂行できることだ。最初の取り組みは、沖縄県の米空軍嘉手納基地への米戦闘機の常駐を復活させることだろう。
中国は予想通り日本の新たな戦略を批判したが、それは中国自身の責任である。中国は、同国の代理的存在である北朝鮮によるミサイル発射や核開発計画を制御してこなかった。中国自身による東シナ海・南シナ海における攻撃的な動き、インドとの国境地帯での衝突、オーストラリアなどに対するいやがらせ、そしてとりわけ台湾に対する脅しに対し、近隣諸国は警戒感を抱いている。日本は世界第3位の経済大国として、中国への対抗措置を取れる資金力を有している。
日本の新戦略は、戦後の平和憲法の枠組みを本質的に超えるという点で、国内政治における革命に相当する。同戦略は、戦後日本の軍事力強化への消極姿勢を捨て去るべきだという、故安倍晋三元首相のビジョンに基づいて構築されたものだ。ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、これほど劇的な政策転換は通常なら10年ほどかかるかもしれないと述べている。しかしロシアがウクライナに侵攻し、中国が攻撃的姿勢を強める中で、日本国民のムードは急速に変化した。
新戦略は米国との同盟に日本をしっかりつなぎ留めるものだ。日本は米国の最も重要な同盟国であり、その軍事力強化は太平洋地域の抑止力を向上させるだろう。
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