【輸出も視野に】日英共同開発の次期戦闘機、コスト抑制狙い第三国への輸出を模索
航空自衛隊F2戦闘機の後継として英国と共同開発する方向の次期戦闘機について、日英両政府が第三国への輸出を模索していることが分かった。生産数を増やし、開発コストを削減する狙いがある。日本政府は輸出を可能にするため「防衛装備移転三原則」の運用指針の見直しも視野に入れる。複数の政府関係者が2022年8月20日、明らかにした。
現行の指針は、攻撃用装備の輸出を認めていない。緩和すれば、日本製の武器が攻撃に使われ、紛争を助長しかねないとの懸念が生じそうだ。
政府は次期戦闘機について、F2の退役が始まる2035年ごろの配備を目指す。
政府は航空自衛隊F2戦闘機の後継機について、英国が開発中の戦闘機と計画を統合し、共通の機体とする方向で調整に入った。
双方の技術力を生かすと同時に生産コスト抑制につなげる狙い。複数の関係者が17日、明らかにした。8月末にまとめる防衛省の2023年度予算概算要求に関連事業を盛り込んだ上で、こうした方針を年末に決定する考えだ。
日本の次期戦闘機は、00年に配備が始まったF2が退役する35年ごろの運用開始を予定する。英国も空軍主力機「ユーロファイター・タイフーン」の後継機「テンペスト」について同時期の就役を目指して開発に着手しており、日英は協力の可能性を探ってきた。
協議の結果、高いステルス性や航続距離、機体の大きさ、搭載するエンジンの数などについて要求性能がほぼ一致。英側が情報開示にも積極的で、将来的な改修の自由度も確保できることから、防衛省も計画の統合に踏み切ることにした。
日本側は三菱重工業、英側は航空防衛大手BAEシステムズが開発主体となる。加えて、エンジンをIHIと英ロールスロイス、レーダーを三菱電機とイタリアの防衛装備大手レオナルドの英国法人が開発する構図が固まっている。
自衛隊と英国軍は、いずれも米軍と共同の作戦に当たることが想定されるため、米軍との相互運用性の確保について米側から支援を受ける方向。イタリアも英国の戦闘機開発への参加が決まっていることから、日英共同開発に加わる可能性がある。
ただ、秋に予定される英国の首相交代が不安要素として残る。現職のジョンソン首相は日英の戦闘機共同開発に前向きだが、後継首相の姿勢によっては計画の修正もあり得る。日英は年末の合意に向け、詰めの調整を続ける方針だ。
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