【2つの訓練】自民議員らが台湾有事でシミュレーション、RIMPACで初の「存立危機事態」想定訓練
中国が台湾周辺での軍事演習を続ける中、自民党国会議員らが2022年8月6日、東京都内のホテルで台湾有事に関するシミュレーションを行った。台湾有事と同時に、沖縄県・尖閣諸島にも中国の武装漁民が上陸する「複合事態」を想定。閣僚役の議員らが国家安全保障会議(NSC)に見立てた会議を開催し、本番さながらに対応を協議した。
シミュレーションは2027年、中国が武装漁民を尖閣に上陸させ実効支配するのと並行し、「無人機が台湾軍に撃墜された」と主張して台湾侵攻にも踏み切るという設定。日本政府は安全保障関連法に基づき、尖閣に武力攻撃事態、台湾に存立危機事態をそれぞれ認定し、自衛隊に防衛出動を命じた。
首相役を務めた小野寺五典元防衛相は、4日に中国の弾道ミサイル5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことを踏まえ、「よりシミュレーションが現実味を帯び、緊迫感があった。台湾有事は日本の有事に波及することが明確になったのではないか」と振り返った。
シミュレーションは、シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」が主催した。
一方、岸信夫防衛相は8日の閣議後会見で、米ハワイ沖で実施されていた環太平洋合同演習(リムパック)で、自衛隊が「存立危機事態」を想定した実動訓練を初めて実施したと発表した。
存立危機事態は、2015年に成立した安全保障関連法に盛り込まれた。日本と密接な関係にある他国が攻撃され、日本国民の生命や幸福追求の権利などが根底から覆される明白な危険がある場合に認定。他に適当な手段がなく、必要最小限にとどめる場合に限り、「集団的自衛権」による反撃を認めた。
リムパックは米海軍の主催で、世界最大級の多国間演習。今年は6月29日~8月4日の日程で、日本のほかにオーストラリア、インドなど計26カ国が参加した。自衛隊からは海上自衛隊の護衛艦「いずも」や「たかなみ」、陸上自衛隊の西部方面隊などが参加していた。
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