【日本こそ必要?】「電磁ビーム」で敵を妨害する電子戦システムが公開!【弾薬不要】
現代の戦争では、安価なドローン兵器の躍進のため、高額なミサイルを使った迎撃戦はコスト的に合理的とはいえなくなって来ています。
イスラエルの国防も請け負っている「イスラエル航空宇宙産業(IAI)」は、さまざまな脅威を同時に検出して、妨害できる新しい電子戦システムを発表しました。
「Scorpius(スコーピウス)」と呼ばれる一連のシステムは、ミサイルなどで脅威を迎撃するのではなく、遠距離から電磁スペクトルに干渉する収束ビームを送ることで、敵のレーダー、センサー、ナビゲーション、データ通信など、さまざまなシステム動作を妨害します。
これは低コストの優れた防衛システムになると考えられます。
現代の戦争では、戦う相手同士の軍事力の規模や、用いる戦術・戦略が大きく異る非対称戦争となることが多くなっています。
争いごとの多い中東では、イランの支援を受けたイエメンのフーシ派勢力がサウジアラビアに対してドローン攻撃を仕掛けています。
フーシ派のドローン「Samadシリーズ」は、1,500km以上範囲の長距離ターゲットをGPS誘導で精度に爆撃する能力があります。
石油施設を破壊されては困るため、サウジアラビアはこれを米国から購入した「中距離空対空ミサイル AIM-120 AMRAAM(アムラーム)」で迎撃しています。
しかし、Samadなどのドローンは比較的安価に組み立てることができ、1機あたりの製造コストは約1000ドル(約11万円)程度と言われています。
対してAMRAAMの値段はそんなに安くありません。
ミサイルの購入契約では、通常、訓練やサポート、スペアパーツなどの追加費用が含まれていますが、大雑把に計算してもAMRAAM1基の購入費用は230万ドル(約2億6千万円)ほどです。
2018年に日本がAMRAAMを購入したときも、1基あたり200万ドルで合意したと言われています。
こうした戦いでは、コスト的にフーシ派が有利で、爆撃が成功しても、迎撃されても相手を圧迫することになります。
サウジアラビアはお金持ちなので、今のところ、この事実をさほど気にしていないようで、ミサイルの性能に満足しているようですが、低コストのドローンを高額なミサイルで撃ち落とすという戦い方は、改めないとならないでしょう。
これは攻撃を行うドローンの数が劇的に増えた場合、対処できない問題になりかねません。
そこで、実弾を用いない防衛システムに期待が寄せられているのです。
ドローンのような相手側のコスト的負担が軽く、しかし高い攻撃能力を持つ兵器を高額なミサイルで迎撃することは、非常に不利な戦いになる可能性があります。
しかし、今回紹介されたソフトディフェンスの大きな利点の一つは、その防衛価格を大きく引き下げることができるところです。
専守防衛を是とする日本も、こうした技術には学ぶところが多いかもしれません。
続きは動画の中で・・・