【アショア代替案】イージス・システム搭載艦は「多胴船」を検討【いつになったら配備できるの?】
政府が配備を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替として導入する「イージス・システム搭載艦」をめぐり、船の構造を複数の船体をつなげた「多胴船」型にする案を検討していることが9日、分かった。
多胴船は通常の「単胴船」と比べて波の影響を受けにくいとされ、近く最新の多胴船の設計・製造経験がある民間事業者に調査研究を委託する。
多胴船は、海の波で船体が傾いた際に元の姿勢に戻る性能が高く、船体が2つの「双胴船」や「三胴船」といったタイプがある。イージス・システム搭載艦の主任務は弾道ミサイルの迎撃で、洋上で船体の揺れを緩和する設計上の工夫が求められていることから、多胴船案が浮上している。
防衛省は昨年10月に、レーダーなどイージス・アショアの構成品を洋上の船などに技術的に搭載可能か、民間事業者に調査研究を依頼。今年4月に最終的な成果報告書を受け取り、昨年11月の中間報告と同様、イージス・アショアの構成品が洋上でも問題なく作動することを確認した。
こうした結果を踏まえ、防衛省はイージス・システム搭載艦の設計や搭載機能の検討を進めているが、多胴船は海上自衛隊への導入実績が少なく、費用が膨らむリスクをはらむ。検討課題としている対艦・対潜機能の搭載や南西方面への柔軟な配備が可能かは未知数で、専門的・技術的な知見の収集も進めている。
イージス・アショアで期待していた弾道ミサイル対処の性能を落とすことなくイージス・システム搭載艦に付与するためには、船の大型化は避けられないとみられているが、多胴の大型艦艇は世界的に珍しい。
海自の双胴船には「ひびき」型音響測定艦がある。波で船体が揺れて潜水艦のスクリュー音などの集音に影響しないよう設計されている。
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