【CRIPって何?】パキスタン軍事演習で見えた、日米豪印「QUAD」連合に対する中露イパ枢軸国連合の誕生
2月11日~16日の6日間、南アジア・パキスタンで、パキスタン海軍主催の多国間演習「アマン21」が行なわれた。
日本ではあまり大きく報道されなかったこの軍事演習だが、海自から護衛艦「すずなみ」が参加するなど、パキスタン海軍のほかに日本、中国、ロシア、スリランカ、インドネシア、イギリス、アメリカの7ヶ国が海軍艦艇を派遣。そしてトルコが航空機のみを派遣し、式典には世界45ヶ国が参加する大規模なものとなった。
日本人ジャーナリストとしてただひとり、現地取材を敢行したフォトジャーナリストの柿谷哲也氏が、この演習の狙いを説明する。
「演習名のアマンとは、現地語で『平和』という意味。今回で7回目になり、パキスタンが中国とアメリカを参加させることで両国の仲を取り持ち、世界平和を実現させようとする大胆な構想の下に行なわれているのです」
国連にもできないようなことを、はたしてパキスタンができるのか? 実際には、軍事地勢的に大国にはさまれた小国パキスタンの苦悩、そして米中の対立がより鮮明となった”新たな軍事勢力図”が露見する形となった。
そうした状況を象徴するようなハプニングが、演習のオープニングとなる国旗掲揚式で発生した。各国の旗が掲揚されるなか、なんとアメリカ国旗だけが落ちてしまったのだ。その瞬間を撮影することに成功した柿谷氏が語る。
「米海軍武官は旗が落ちた瞬間、明らかに動揺していました。この写真を見た米国人軍事記者は『これは、今後の米国とパキスタンの関係を暗示しているバッドシグナルだ』と言いました。
一方で、中国の記者は喜んでいましたね。中国記者を通じて写真を見た中国武官は、『ありがとう、あの写真は素晴らしい』と私に言ってくれました。後で中国大使館関係者が私の部屋に、ホテル内にある中華料理店で調達した餃子を届けてくれました(笑)」
米国旗が落ち祝賀花火を終えるまでの約1分間、パキスタン儀典長は真ん中に掲揚される自国の海軍旗を下ろし、代りに米国旗を掲揚するアイデアを捻りだした。アメリカの機嫌を配慮したパキスタンの姿勢が見えた出来事だった。
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