【何を今更】洋上イージス稼働日数は年間126日!陸上配備型の3分の1【防衛省試算】
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(陸上イージス)の代替艦をめぐり、ミサイル警戒に従事できる期間が年間126日と試算されていたことが、関係者への取材でわかった。陸上イージスは「24時間365日、日本全体をカバーできる」との触れ込みだったが、代替艦はその3分の1しかカバーできない計算だ。試算は昨年11月にまとめられたが、公表されなかった。
昨年12月には、現在8隻保有するイージス艦と一線を画す「イージス・システム搭載艦」2隻の建造方針が閣議決定されたが、「これほど大幅に導入効果が減るとは多くの国会議員も思っていない」(政府関係者)とされ、防衛省内にも巨額を投じることを疑問視する向きがある。
政府関係者によると、昨年11月、防衛省は米国側や造船大手から提供されたデータをもとに、陸上イージスの構成品を海上でも使えるかどうかや、海上転用のコストの目安などを見積もった。この際に、年間に弾道ミサイル警戒に従事できる日数を「稼働率」と呼んで積算し、数値を得た。
それによると、代替艦がミサイル警戒に稼働できるのは126日。「陸上イージスより導入効果が激減する格好」(政府関係者)で、残りの期間は、整備や訓練に充てざるを得ない試算だった。一般的に大型艦は年間3カ月の整備に加え、5年に1度は半年超の整備も必須で、さらに整備後には乗組員が艦艇勤務の技量を回復するための訓練期間も欠かせない。
だが、防衛省はこうしたデータを公表せず、自民党の国防部会に提示した資料では陸上イージス「○」、代替艦「△」と記号で記すにとどまった。政府関係者は「都合の悪いデータを隠しすぎではないか」と指摘している。稼働期間が3分の1になるが、北朝鮮のミサイルへの警戒を緩めることはできず、既存のイージス艦がカバーすることになりそうだ。既存艦をミサイル防衛の任務から解放し、中国軍の警戒へ振り向ける方針も修正を迫られる可能性がある。
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