【電子戦部隊】2021年末までに7拠点の部隊新設!九州・沖縄と北海道重視【陸上自衛隊】
防衛省は、電磁波を使って通信やレーダーに関する情報を収集したり、軍事行動を妨害したりする「電子戦」の能力強化を急ぐ。3月の陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)を皮切りに、2021年度末までの約1年間で全国計7カ所に陸自の専門部隊を新設する方針だ。
この分野で先行するロシアに加え、近年力を入れる中国を念頭に置いており、部隊の多くを九州・沖縄と北海道に配備する。
電磁波は電波やエックス線などの総称で、電子レンジに用いられるマイクロ波や可視光も含まれる。18年に閣議決定された防衛計画の大綱は、電磁波を「現在の戦闘様相における攻防の最前線」と指摘。新たに宇宙、サイバーと並ぶ重要な作戦領域と位置付けた。
現状で電子戦の部隊は、冷戦期に発足した東千歳駐屯地(北海道千歳市)の第1電子隊のみ。健軍駐屯地には最新鋭の「ネットワーク電子戦システム」(NEWS)を導入し、電磁波を収集・分析。有事には相手の戦力の無力化を図るとしている。21年度予算案にもNEWS1式の導入経費87億円が計上された。
21年度には、全国の電子戦部隊を管理する「電子作戦隊」を朝霞駐屯地(東京都練馬区など)に新設。留萌(北海道留萌市)、相浦(長崎県佐世保市)、奄美(鹿児島県奄美市)、那覇(那覇市)、知念(沖縄県南城市)の各駐屯地・分屯地にも部隊を配備する。陸自の電子戦要員は同年度末に450人規模となり、さらに増やす想定だ。
ロシアは14年にウクライナ南部クリミア半島に侵攻した際、電子戦やサイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦」を展開し、ウクライナ軍をかく乱。中国も15年に電子戦を担う「戦略支援部隊」を新設するなど能力向上を進めている。
防衛省幹部は「日本は出遅れているのが現実で、強化は喫緊の課題だ」と危機感をあらわにする。
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