【自衛隊装備】空自のC-2は国産輸送機で、その愛称は「ブルーホエール」【航空自衛隊】
航空自衛隊が導入した国産輸送機「C2」は、水色とグレーの中間色の外装から「青い鯨」と呼ばれる。一般的な旅客機と同じ固定翼の飛行機で、機体(長さ・幅44メートル、高さ14メートル)はジャンボジェット機に比べ一回りは小さい。だが、ずんぐりして恰幅(かっぷく)のよい形状のため迫力がある。自衛隊の装備品や隊員を輸送するのが任務で、機内構造の大半を貨物室(奥行き約15メートル、高さ約4メートル)が占める。
6月29日、河野太郎防衛相が視察のため搭乗したC2が、埼玉県の空自入間基地から南下し、神奈川県の三浦半島の先端で折り返す約220キロのルートを約45分間飛行した。
この様子は報道陣にも公開され、同乗した隊員や報道陣は壁面に並んだ簡易な布張りの椅子を広げて座った。三浦半島に近づいたとき、隊員から着席とシートベルト着用を指示された。まもなく、飛行中であるにも関わらず貨物室の最後尾の扉が全開し、床も下がった。機体の後ろが大きく口を開けた形になり、眼下に海が広がった。
この機能が肝である。
南西諸島(沖縄県など)では中国の軍事的圧力が強まっている。万が一、日本の離島が敵に侵攻された際、C2は必要な装備品や隊員を前線に運ぶ任務を担う。装備品にパラシュートを付け、大きな開口部から地上に投下するのである。
席に座っている状態では怖さを感じない。ただ、命綱を付けながらとはいえ、開口部近くで投下作業を行う隊員は最初はたじろぐに違いない…。
C2は、古くなったために順次引退することが決まった主力輸送機C1の後継機で、平成30年に運用が始まった。C1より大型化し、貨物搭載能力は約3倍に増強された。海から浜に上陸する水陸両用車、化学防護車、UH60ヘリコプター、野外手術システム、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)も運べるようになり、隊員は100人以上乗せられる。
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