【お帰りなさい】米空母「セオドア・ルーズベルト(CVN-71)」ウイルス感染から任務に復帰【米海軍】
艦内で新型コロナウイルスの感染が拡大し、グアム島で予期せぬ足止めを強いられたアメリカ海軍の空母セオドア・ルーズベルト。現地時間の2020年6月4日にグアムを出航し、インド太平洋地域における通常任務に復帰したとアメリカ海軍が発表しました。
2020年1月17日にカリフォルニア州サンディエゴを発ち、インド太平洋地域での任務の途中にグアムに立ち寄った後、乗組員の新型コロナウイルス感染が明らかになった空母セオドア・ルーズベルト(CVN-71)。一種の閉鎖環境である艦内で感染が拡大し、急遽グアムに引き返して感染者を病院に収容するとともに、感染が確認されなかった残りの乗組員も隔離されました。
入院した乗組員の代わりとなる人員の異動が発令され、同時に艦内では徹底的な洗浄・消毒が実施されました。隔離期間が終了した乗組員も復帰し、船を動かす訓練を経て、航空機を受け入れての運用試験をグアム近海で実施したセオドア・ルーズベルトは、最終的に任務への復帰が認められました。
いよいよ任務に復帰する、ということになり、セオドア・ルーズベルトのマストには「Don’t Give Up The Ship(船を諦めるな)」の旗が掲げられました。これは米英戦争中の1813年6月1日、ボストン港沖でアメリカ海軍のフリゲート「チェサピーク」がイギリス海軍のフリゲート「シャノン」に捕獲された際、瀕死の重傷を負ったチェサピーク艦長のジェイムズ・ローレンスが乗組員を鼓舞した有名な言葉です。
このローレンス艦長の言葉は、戦友のオリバー・ハザード・ペリー(黒船で日本に来航したマシュー・ペリーの兄)が1813年9月の「エリー湖の戦い」で、アメリカ艦隊旗艦のローレンス(戦死したローレンス艦長にちなんで命名)に旗として掲げ、友の魂と一緒に戦い勝利した、というエピソードで伝説的なものとなりました。空母セオドア・ルーズベルトが任務復帰のため、グアムを出航した6月4日がローレンス艦長の命日だというのもまた、意識されたものなのかもしれません。
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