【次期装輪装甲車】共通戦術装輪車の両輪で調達、戦略機動に続く戦場機動を要求【陸上自衛隊】
かつての陸上自衛隊においては、師団戦力の中核となる普通科連隊の各中隊は自動車化されておらず、60式装甲車(60APC)や73式装甲車(73APC)を装備する一部の機械化した普通科連隊や装甲化した輸送隊を除き、本部管理中隊の輸送小隊が装備するトラック輸送により機動していた。
1990年代には高機動車を広く導入したことをはじめ、96式装輪装甲車(96WAPC)を導入したことで、普通科中隊が固有の装備で機動することが可能となった。
さらには2000年代初頭に軽装甲機動車(LAV)を導入したことで、陸上自衛隊の自動車化、装甲化が進展する結果となっている。
だが、現有装備の73APC、89式装甲戦闘車(FV)、96WAPC、高機動車、LAV、これらの導入から相応の年数がたった現在においては、多様化した脅威や新たな戦い方に適合する必要性が生じている。
そうした中、96WAPCの後継車種として、国内外の候補車種を取得し、2021(令和3)年から約1年の試験を行った上で、多様な脅威や新たな戦い方に適合する次期装輪装甲車を選定することとなっている。
今回WINGでは陸上幕僚監部防衛部にインタビューを行い、陸自が次期装輪装甲車に求める事項や装軌式も含めた装甲車の考え方について聞いた。
陸上自衛隊における装輪装甲車の役割について聞くと、「新大綱において、防衛力の果たす役割として、島嶼部を含む我が国への攻撃に対しては必要な部隊を迅速に機動・展開し対応することとされている。また、ハイブリッド戦、グレーゾーン事態のようないつ、どこで生起するか分からない事態に即応するためにも、陸上自衛隊には機動・展開能力の強化が求められている」とし、「迅速に部隊・隊員を輸送するためには、まず自動車化があげられるが、戦略機動に引き続き、各種脅威下において行動するためには、装甲化することも重要であると考えている」と述べた。
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