【世界初】Bell社がテールローターを4個の電動ファンに、燃費向上と騒音低下に貢献【ゲームチェンジャーになるか】
ヘリコプターを作るBell社が、テールローターを大きな1枚から小さな4枚を並べた構造に再デザインし、しかも電動にしたので燃費向上にも貢献することになりました。
一見すると地味な技術革新ですが、これは世界初の画期的な試みで、騒音も低下することに繋がる…と良いこと尽くめなのです。
皆さんご存知、ヘリコプターは機体の上にある大きな回転翼(ローター)の力で空を飛びます。
ですがシングルローターの場合、回転翼は1方向にしか回らないので、反作用によって機体も(逆方向に)回転してしまいます。そこでテールローターは、機体が回転しないようにカウンターのトルク(回転力)を発生させ、機体を安定させる役目を担っています。
機体上部にある回転翼は人の身長より高い位置にあるため、首を飛ばされる心配はありません。ですがテールローターは剥き出しの扇風機の羽のように、90度直角に付いていることから、これに巻き込まれる事故が起こり得るのです。枠の内側で回る小型のローターなら、その事故を防ぐことに繋がります。
ということで作られたのが、Bellの「429 EDAT」。「EDAT」は「Electrically Distributed Anti-Torque」の略で、「電力によって分散された反トルク」という意味合いになります(ひとつのテールローターの役割を4つの電動テールローターに分散)。
Verticalいわく、これはメインのタービン・エンジン経由で発電された電力で回るとのこと。従来だとメインのエンジンからギアとドライヴ・シャフトを尾部まで伸ばし、それに操縦席からペダル操作するパーツも繋げていたのですが、電線と電動ファンに置き換えたことでそれらが不要となり、機体が軽くなるメリットが生まれた、とも伝えています。燃費も改善しそうですね。
近年、EV技術の発展が著しく、高効率のモーター・バッテリー、そして発電技術も進化している。
その結果、車や船舶などの動力に普通に使われるようになり、潜水艦の動力としても活躍するようになってきた。
そして極めつけはドローンの進歩と言えるだろう。
したがってヘリコプターのテールローターへの応用は時代に即したものと言えるだろう。
簡単に言えば、テールブームの先端にモーターとファンを配置するだけで済むので、実にシンプルな構造と言える。
テールブーム内は電源用と制御用のケーブルだけでいいのでメンテナンスも簡単でコストも押さられる。
これからのヘリコプターの反動トルク対策のゲームチェンジャーとなりそうだ。
そしてBELLといえば、気になるのがV-280バローの存在だ。
テスト飛行も順調に進んでいるようだ。
続きは動画の中で・・・