【自爆ドローン】密かに広がる「貧者の兵器」現状で完全に無効化する防衛システムは存在しない
2019年9月に起きたサウジアラビアの石油施設攻撃で一時、原油価格が2割も上昇するなど世界中が大混乱に陥った。だが、犯人は一機たった160万円のドローンだった!
サウジアラビアの国営石油企業の石油施設を、18機の“自爆ドローン”と7発の巡航ミサイルが襲ったのは9月14日のこと。今回の攻撃による被害額は3.3兆円以上と試算されたが、これは東京五輪開催による経済効果(’13~’20年)とほぼ同額となり、それが一瞬にして吹き飛んだ形だ。さらに驚かされるのは、攻撃に使われたドローン一機あたりの価格がわずか160万円だったという事実だろう。金額だけを比べると恐ろしい費用対効果である。
今、このような低予算で対象に大きな被害を加えることができる自爆ドローンは新たな“貧者の核兵器”とも呼ばれ、関連事件も増加傾向にある。ただ、自爆ドローンは米中露が鎬を削る軍事用ドローンとは異なる。
「今回の石油施設襲撃に関しては、民生用ドローンの技術が生かされ、低価格なミサイルがつくられたというイメージです。ドローンのパーツのひとつにフライトコントローラーがあります。これは機体制御、自己位置推定、経路追従などを行い自律的な飛行を実現するための“脳”にあたりますが、価格が年々安くなっている。10年前に100万円だったものが、現在ではより高い性能のものが1万円以下で買えます。安価なミサイルにフライトコントローラーを組み込めば自律兵器の出来上がり。それが、民生用ドローンの技術がミサイルに使われたと表現するゆえんです」
なお、GPSシステムの発達も自爆ドローンの普及に拍車をかけているという。近年、EUや中国も測位衛星を稼働させており、対応するチップさえ埋め込んでしまえば自律性をより正確に担保できるという。
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