【指揮権の行方】米韓が合同演習の指揮権巡り摩擦、国連軍司令部の権限を巡る米韓対立が表面化
韓米両軍当局が、先月の「後半期連合指揮所演習」の際、国連軍司令部の権限を巡って神経戦を繰り広げていたことが2019年9月3日までに分かった。
韓国は、戦時作戦統制権(統制権)移管後に戦争が起きた場合、米軍が韓国軍の指揮を受けるべきだとしており、米軍は、在韓米軍司令官が国連軍司令官を兼ねているのだから作戦に介入できると主張したという。
統制権を巡る韓米対立は、これまで水面下に隠れていたが、今回の訓練をきっかけとして表面化した格好だ。
韓国政府の関係者は「先月の指揮所演習の際、統制権移管後の国連軍司令部の地位を巡る問題で韓米間に意見の違いがあった」として「最終的には(韓国軍の)合同参謀本部議長が仲裁に乗り出し、本ゲーム(戦時を想定したウォーゲーム)ではない事前訓練の一部を国連軍司令部の指揮下で進めた」と語った。
統制権を巡る双方の微妙な流れは、米国が国連軍司令部の機能を強化するような動きを見せるのに伴い、軍周辺でキャッチされ始めた。
米国は国連軍司令部の大幅な増員を計画しているという。
韓国政府は米軍を中心とする国連軍司令部強化の動きに対して、将来自国に戦時作戦統制権が返還されたとしても、未来連合司令部司令官の韓国軍大将が指揮する直轄在韓米軍部隊は限定されるのではないかと疑心暗鬼になっている。
文政権にとっては、念願の戦時作戦統制権返還による新たな米韓連合軍の指揮構造が骨抜きになり、米軍に主導権を取られるのだけは避けたいところだろう
さらに、韓国側は国連軍の運用に日本が関わることを懸念している。
国連軍司令部に自衛隊の要員が入ることで、将来の朝鮮半島有事における軍事作戦に日本が参加できる契機となることを警戒している。
実際の有事においては、国連軍司令官が国連軍に参加する多国籍軍を指揮しつつ、兼務している在韓米軍司令官として、インド太平洋軍司令官に対して戦力派遣要請を行うことによって、実質的に戦時における主導権は米軍が握るという形が有力だろう。
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