【SM-3シリーズ】自衛隊に配備予定のSM-3迎撃ミサイルは合計180発規模へ【超高額装備】
2019年8月27日、DSCA(アメリカ国防安全保障協力局)からアメリカ議会に日本向けSM-3ブロック2A迎撃ミサイル73発、約33億ドルの売却が通告されました。
SM-3ブロック2Aは弾道ミサイルを大気圏外で迎撃する最新の迎撃ミサイルです。
昨年から最近までの日本向けSM-3売却許可数は新型のSM-3ブロック2A(90発)と従来型のSM-3ブロック1B(64発)で合計154発となっています。
この数字は最大許可数であり実際の購入数とイコールではありませんが、仮にこれを実際の購入数とした場合、既に配備されているイージス艦「こんごう」型4隻に搭載されているSM-3ブロック1A(32発)を足すと186発になり、「あたご」型2隻・「まや」型2隻・イージスアショア2基(操作要員がハワイの実験施設で訓練予定)の試射で射耗する6発を引いて、合計180発が自衛隊の配備予定数となります。
なおイージス・システムのバージョンの関係でSM-3ブロック2Aについて「こんごう」型4隻は運用できず、「あたご」型2隻はエンゲージ・オン・リモートの出来ない限定運用、「まや」型2隻とイージスアショア2基はフルで運用が可能となっています。
SM-3ブロック2Aは単純に従来のミサイルの約2倍の性能を発揮すると言われている。
このミサイルによる利点としてあげられるものとしては、射程が2000キロあるため、搭載したイージス艦を中心に直径4000キロの円内が有効な射程となること。
したがって、イージス艦2隻で日本列島がすっぽりと収まることになる。
また、射高が1000キロと高いため、ロフテッド弾道のミサイルに対応出来る。
さらに、朝鮮半島や中国本土からグアムに向けて発射された弾道ミサイルが、日本の上空を通過する際に、日本が集団的自衛権を行使してこれを撃破出来る能力を備えられる。
SM-3ブロック2Aはこのような中距離弾道ミサイルを標的に開発されたミサイルで、日本のBMDにとって重要な装備となるだろう。
ただ、超高額な価格ゆえ調達できる数に限りがあるのが難点と言える。
本命の弾頭搭載のミサイルと、低価格の無弾頭のデコイを多数同時発射されれば、お手上げとなるだろう。
今後は時間と開発費は多くかかるが、運用時には超低コストとなる「レールガン」や「レーザー砲」などの指向性エネルギー兵器にシフトしていくと思われる。
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